0258学-まなぶ
筆者:miki 
2010年5月21日 1時26分
「いいじゃないの幸せならば」作詞:岩谷時子 作曲:いずみたく 歌:佐良直美
佐良直美と聞いて懐かしいと思ったあなたはアラ50であるのはまちがいないですね。ぼくにとっては忘れることができないマルチタレントの一人です。大橋巨泉の「お笑い頭の体操(1968年~1975年)」(と言ってもこれを知っている人もアラ50以上でしょうけれど、「8時だよ!全員集合(1969年~1985年)」の30分前に放映されていた番組で、笑点の大喜利のようなものだと考えてください)、では「早いのが取り柄」をトレードマークにした月の家円鏡、今の橘家円蔵とならんで、ユニークな女性のレギュラー回答者でした。どぎつさを皮一枚でかわした下ネタを連発して大いに笑わせてくれたものです。 また、俳優としても木曜日のゴールデンの人気ドラマ「肝っ玉かあさん」や「ありがとう」でもコミカルな役を軽妙にこなしていました。
歌手としても流行歌手として成功しました。女性としては低音。そのせいか気分の落ち着く音質でした。朗々と声を張り上げる際、気張らない自然さがすんなり耳に入ってきました。
歌に恵まれたことも幸運だったと思います。デビュー曲「世界はふたりのために」(1967年)は大ヒット。歯の浮くセリフで恥ずかしくなるよう歌詞をさらりと歌いこなして、「本当に愛だよな」と思わせてしまう摩訶不思議な歌唱力。こちらを代表曲としてあげる方も多いことでしょう。
それにたいし、「いいじゃないの幸せならば」は投げやりな表題が示すとおりの内容だと聞こえますが、つらつら考えるに、世間の思惑なんか気にせず、我が道を突き進む元祖飛んでる女性の宣言とも聞こえてきます。いずれにせよ、反感を招くに違いない歌詞なのですが、彼女のヴォーカルだとなんとも説得的に響くのは妙というか、素晴らしいというか。
ぼくの佐良直美ベスト3は上記の2曲に、デビュー曲に比べればチョイ控え目のセカンドシングル「私の好きなもの」(1967年)。きどってスノッブめいた歌詞あれこれと並べたてられますが、てらいのないストレートな「好き、好き、あなたが一番好き」殺し文句で、一挙に帳消しとなり、心温まるラブソングと変貌してしまいます。その巧みさには感心させられます。作詞は永六輔。当時アブラが乗りきってそれこそ飛ぶ鳥を落とすマルチタレントの一人。なっとく。
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