0258学-まなぶ -> 雑学
筆者:miki 
2011年10月23日 21時07分
「愛をよろしく」1983作詞:鈴木康博・あんべ光俊 作曲:鈴木康博
1989年に解散したオフコースですが、1983年に結成時からのメンバーの鈴木康博が脱退(契約満了による名目上で実質的には82年)しています。
「愛をよろしく」はソロでのデビュー曲。レコードジャケットにオフコースの名前が入っているのがしがらみをつくづく感じさせてくれますね。
TVドラマの主題歌だったのを憶えています。番組のコンセプトに合う歌を選んだのか、それとも番組側がコンセプトを出して依頼したのかわかりませんが、ゆったり目のテンポで、サックスがユーモラスと同時にノスタルジーに響くきらりと光る作品です。とくにサビの「愛をよろしく」は耳に残るフレーズです。
なんとなく続けていけるなら
なんとなく別れられるさ
さよならも愛 もうためらわないで
心きめたほうがいい
別れはいつでもさみしい顔して
僕らの心を迷わせるけど
離れてよかったそう思うきっと
薔薇の花束の代りに愛をよろしく
「愛をよろしく」の発売が 1983年8月21日。脱退が1983年8月31日。曲にその思いを込めたと見るのが自然ですし、今にして思えばこの曲はオフコース(たぶん特に小田和正)に対するメッセージや心境の告白だったと痛感されます。
もちろん、全編がそうだと言うつもりはありません。作品は独立した存在として創造されたわけで、曲は上記に引用したパートが男性、この後この男性のセリフに対応したセリフで女性が答えて歌い、「風のように時は走る、思い出が飛び散る」が挿入されて、効果的に場面転換をします。男性パートの「別れは~愛をよろしく」が同様にくりかえされますが、女性パートはおそらく新しい出会いと愛がはじまったことを示唆するように、前のパートで「誰かが私を愛し始める」が「誰かがあなたを愛し始める」に変わっています。さりげなく女性のしたたかさを見事に言い当てていると思います。
「よろしく」が含みのある使われ方をしていますが、もともとあいまいを好む日本人のよく使う言葉。選挙運動中の先生をはじめとしてツッパリあんちゃんにいたるまで引っ張りダコですね。この歌に親しみを感じるのも、常日ごろ何かとお世話になっているこの「よろしく」の言葉のせいかもしれません。ぼく自身毎度駄文を連ねていますが、そこのところ「夜露四苦」なんて居直っていますから。








