0258学-まなぶ -> 雑学
筆者:miki 
2009年7月27日 22時18分
「闇夜の国から」(1974年)作詞作曲:井上陽水
現在井上陽水のイメージはサングラスとオールバックになでつけた髪形ですが、「断絶」「センチメンタル」「氷の世界」の頃は、サングラスなしで思い切り大きなアフロヘアーでした。代表作「傘がない」の強烈なイメージから、陰鬱な歌手みたいに思われます。確かに、鬱屈した情感やセンチメンタルな印象はあります。その一方で結構賑やか、いや、賑やかとか明るいとかは正確ではないですね、むしろ、不可解な晴れやかさといった方がよいでしょうか。死語だと思いますが、「シュール」。どこか突き抜けたドライな感じもあるように思います。
この「闇夜の国から」は井上陽水が爆発的に売れた時の作品。結婚した後に発売されているのを知っていましたから、その当時は「陽水浮かれてるな」って思ってましたね。これは今聞いても陳腐過ぎるくらいひねりのないイメージにあふれ、なるほど明るいといえば明るい。それは単純さが放つ見通しのよさなのかもしれません。
でも、待てよ。「なんで出発点が闇夜の国なんだろー?」って、ちょっと引っかかります。この前年にリリースした「氷の世界」はアルバム部門で日本初のミリオンセラーとなるほど売れるというまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの頃。うーん、ちょっとなぞです。
こんな何気ない曲からして、陽水の作品ってどこか不思議な味わいがあるんですよね。









