0258食-たべる -> 長岡ラーメン
筆者:miki 
2008年5月6日 23時14分

*写真は飛雄馬の「鶏ガララーメン」*
いち井は長岡のラーメンに大きな影響を与えました。長岡のラーメンがレベルアップしてきた要因はもちろんそれぞれのラーメン店主の努力でしょうけれど、いち井の果たした役割は無視できません。関東などでは当たり前だったトッピング(エビワンタン等)の導入、特に味玉(味付け半熟卵)のトッピング、焼きアジ・焼きアゴ(トビウオ)の使用、香味油(エビ油、マー油)の使用、店内の禁煙。
こうした新しい動向を積極的にいち井は取り入れ、平日でも行列のできる店として大繁盛しています。
いち井の開店当初と現在とでは、ラーメンは大きく変わっています。現在も確かにうまいことはうまいのですが、いじりすぎでスープが複雑になりすぎ、醤油、塩、とんこつ本来持つ味わいがいくぶん殺されている気がします。現時点で私が一番いち井のうまかった印象は醤油ととんこつは平島店舗の頃、塩は今の宮内店舗に移った直後の頃でした。
いずれにせよ、いち井のような超人気店には限定ラーメンをだすことなぞ、なんのメリットなさそうなものです。
てことで、いち井の限定ラーメンを偵察してまいりました。目的は「人気店にとって限定ラーメンの意味を探る!」ちょっと力が入ります。
いち井では限定メニューを「創作ラーメン」とも言っています。6回目だそうです。今回は「菜の花とあさりの塩ラーメン」。いち井のホームページによれば、「九州より届いた旬の菜の花と、あさりを少し辛く味付けし、専用のメンマをトッピング」。
スープはとにかくうまい。さっぱりしていますが、アサリのせいでしょうか、うま味たっぷりで、洗練された高級料理の趣があります。これにエビ油の香ばしい香りが一層の食欲をそそります。薬味のゆずもいいですね。ほのかに効いている唐辛子もスープの印象を引き締めています。岩ノリのトッピングは絶妙です。でも、もっと量がほしいかな。もっとも値段は900円ですから、うまくて当然ともいえますが。
ただアサリは殻付きで身が食べにくいんですよね。私みたいな面倒くさがりには相性が良くないですね。
せっかくの菜の花ですが、創作ラーメンというキーワードには欠かせないかもしれませんが、なくても一向構わないトッピングに思えました。「専用メンマ」のうたい文句も私には「?」
チャーシューが一枚でもあればと個人的には思ってしまいました。花より団子ってところです。
いち井は店舗移転の頃から、ラーメンを高級料理にしようとする志向があったように思えました。マンガやテレビの撤去。水のセルフサービスから麦茶とおしぼりのサービスへ。昭和30年代風の内装。器へのこだわり。割りばしも注文時に持ってきてくれます。ほの暗い空間に流れるジャズ。雰囲気も高級感志向ってところでしょうか。
今までにないラーメン店の雰囲気作りは趣味的にすぎるのではないかとも思えます。趣味というのは往々にして独善的になりがちなのですが、「菜の花とあさりの塩ラーメン」の菜の花に私はそうしたいち井の趣味的な嗜好を見てしまいました。
通常メニューの醤油ラーメンの飾り麩にも趣味の表れを感じます。もちろん、このトッピングを素晴らしいセンスと感じられる方々もいることでしょうが、私には変にお尻が落ち着かず、こそばゆい感じがします。
いち井のような趣味的な嗜好を多分に店に持ち込む店主にとって、限定ラーメンは芸術的な欲求を実現できる絶好の機会なのかもしれないと、思った次第です。
[CM] 不思議世界をコーディネート『マジシャン カズ』
全米マジック協会会長賞受賞!イリュージョンマジック・ステージマジックからテーブルマジックまでこなす万能パフォーマー。上越を拠点に全国で活動!不思議な世界を演出しイベントやパーティを盛り上げます。
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