0258食-たべる -> 長岡ラーメン
[CM] 不思議世界をコーディネート『マジシャン カズ』
全米マジック協会会長賞受賞!イリュージョンマジック・ステージマジックからテーブルマジックまでこなす万能パフォーマー。上越を拠点に全国で活動!不思議な世界を演出しイベントやパーティを盛り上げます。
全米マジック協会会長賞受賞!イリュージョンマジック・ステージマジックからテーブルマジックまでこなす万能パフォーマー。上越を拠点に全国で活動!不思議な世界を演出しイベントやパーティを盛り上げます。
筆者:miki 
2006年10月27日 17時06分
燕、三条のラーメンは地元の金物産業を支えてきました。限りある勤労時間を確保するため、さまざまな工夫がラーメンに凝らされました。ぶっとい麺はのびにくいために、背あぶらの浮く高カロリーのスープは力を出すために、濃い目の味付けは汗で失われた塩分を補うために、たっぷりの量は腹持ちを長引かせるために。こうしてできあがったラーメンのスタイルは燕や三条の人々の胃袋を満たし、今では「背脂チャッチャッチャッ系」として、広く親しまれるようになっています。
長岡では安福亭がこのラーメンを広めました。1972年の開店は高度成長の終わり、石油危機の前年ですから、なにやら象徴的です。
安福亭の虜になった人の中には、受験生や予備校生がけっこう多く、知り合いにも「長岡に校外模試を受けに来るときには、立ち寄るのを楽しみにしていた」なんて話を聞きました。三条・燕で金物産業支えたラーメンは長岡で受験生・予備校生の頭脳を支えるように変化をしていったわけですね。
私はこの知人から安福亭を紹介してもらったのですが、第一印象は「え!これがラーメン」と思いましたね。煮干しがどぎついまでに効いて、生臭く感じるほどの魚臭さでした。常備されているネギをてんこ盛りに入れ、安福亭特製ネギラーメンにして完食できましたが、暖簾を後にしながら「もう来ないだろう」と思ったものです。
まったく不思議なのですが、それからずいぶん経つと、二度と口にしないはずのラーメンが思い出されてくるのです。その思いは薄れるどころか強まる一方で、もう一度行かずに入れなくなるほどで、実際出かけてしまいました。
二度目の時も「しまった」と思ったはずですが、同じことをなんどか繰り返して、私もご多分に漏れず安福亭ファンになってしまったわけです。ただ、大あぶらは一回きりで懲りました。
今はどうなっているか分かりませんが、その頃大あぶらを頼むと、冷たいどろどろの背あぶらが盛られるばかりでした。このあぶらは自然そのままで、人為的な味付けがされていません。私にはまったくだめでした。「隣の芝生は青い」の伝で、傍目には実においしそうだったので、「魚臭さ・生臭さを消してくれ、うまみを増してくれるネギあぶらやエビあぶらのような香味あぶら」と早とちりしたわけです。いずれにせよ、現在では忘れがたいラーメンになってしまいました。
私にとって安福亭は冬季限定的なのですけれども、それでも長い間通っています。その頃と比べると、心なしか、あの頃のマイクタイソン張りのハードパンチャーだったスープも、角がとれたような気がしますし、鍋の中で海ヘビのように絶えず回遊していた麺も気持ちばかりほっそりしたような気がします。
私流のいちばんうまい安福亭ラーメンの食べ方は、普通盛りラーメンを頼んで、小口切りのネギをあふれるほど山盛りにします。このネギを熱々のスープに浸してしんなりさせ、生臭さを(今ではそれほど気にならないのですが)消して、ハフハフと啜ります。中盤で細切りのネギをたっぷりと投入し、今度はネギのしゃきしゃき感を堪能します。沸騰スープにもまして、ネギ入れ放題で体がポッカポッカして、「冬季限定だな~あ」といつもつくづく感じ入るのです。
長岡では安福亭がこのラーメンを広めました。1972年の開店は高度成長の終わり、石油危機の前年ですから、なにやら象徴的です。
安福亭の虜になった人の中には、受験生や予備校生がけっこう多く、知り合いにも「長岡に校外模試を受けに来るときには、立ち寄るのを楽しみにしていた」なんて話を聞きました。三条・燕で金物産業支えたラーメンは長岡で受験生・予備校生の頭脳を支えるように変化をしていったわけですね。
私はこの知人から安福亭を紹介してもらったのですが、第一印象は「え!これがラーメン」と思いましたね。煮干しがどぎついまでに効いて、生臭く感じるほどの魚臭さでした。常備されているネギをてんこ盛りに入れ、安福亭特製ネギラーメンにして完食できましたが、暖簾を後にしながら「もう来ないだろう」と思ったものです。
まったく不思議なのですが、それからずいぶん経つと、二度と口にしないはずのラーメンが思い出されてくるのです。その思いは薄れるどころか強まる一方で、もう一度行かずに入れなくなるほどで、実際出かけてしまいました。
二度目の時も「しまった」と思ったはずですが、同じことをなんどか繰り返して、私もご多分に漏れず安福亭ファンになってしまったわけです。ただ、大あぶらは一回きりで懲りました。
今はどうなっているか分かりませんが、その頃大あぶらを頼むと、冷たいどろどろの背あぶらが盛られるばかりでした。このあぶらは自然そのままで、人為的な味付けがされていません。私にはまったくだめでした。「隣の芝生は青い」の伝で、傍目には実においしそうだったので、「魚臭さ・生臭さを消してくれ、うまみを増してくれるネギあぶらやエビあぶらのような香味あぶら」と早とちりしたわけです。いずれにせよ、現在では忘れがたいラーメンになってしまいました。
私にとって安福亭は冬季限定的なのですけれども、それでも長い間通っています。その頃と比べると、心なしか、あの頃のマイクタイソン張りのハードパンチャーだったスープも、角がとれたような気がしますし、鍋の中で海ヘビのように絶えず回遊していた麺も気持ちばかりほっそりしたような気がします。
私流のいちばんうまい安福亭ラーメンの食べ方は、普通盛りラーメンを頼んで、小口切りのネギをあふれるほど山盛りにします。このネギを熱々のスープに浸してしんなりさせ、生臭さを(今ではそれほど気にならないのですが)消して、ハフハフと啜ります。中盤で細切りのネギをたっぷりと投入し、今度はネギのしゃきしゃき感を堪能します。沸騰スープにもまして、ネギ入れ放題で体がポッカポッカして、「冬季限定だな~あ」といつもつくづく感じ入るのです。







